けっきょく、ボクがビートのキーをもって家をでたのは、もう午後1時をまわっていました。
名古屋から猿投をぬけてグリーンロードを力石まで走り、山の中を、足助・稲武を経由してどんどん北上していきます。いわゆる飯田街道をたどります。長野県に入り平谷を抜けて治部坂を越えるあたりでは、ずいぶん肌寒くなりました。もちろん、ビートはオープンです。でも、気分は爽快です。
昼神温泉郷を抜けて、阿智村の園原にいきます。伊那谷道中から清内路・妻籠・南木曽に抜ける通称「はなもも街道」には、今が盛りのみごとな花桃が楽しめます。

でも、ボクのお目当ては、樹齢400年から500年といわれる「駒つなぎの桜」です。その昔、源義経が奥州に下るさいにこの桜に馬をつないだとか。この辺りは標高が920m近くあって、南信州でも最も遅咲きの桜だと聞きます。




秋や冬に、東山道(とうさんどう)ルートで富士見台をめざすさいには、ここは何度も通っていますが、花の盛りの「駒つなぎの桜」はまだみていません。車を停めて、5分程度坂を登っていきます。

昼から夕方にかけては、逆光になり構図が限られます。時間があれば、ライトアップを待てばよいのでしょうが、そうもいってられません。午後6時くらいには、名古屋に戻っていたいので、きょうはドライブがてら立ち寄った程度でごめんなさい。

何枚かの写真を撮って、中央道から東名で名古屋に戻ってきたのはほとんどドンピシャの18時でした。
「駒つなぎの桜」のセカンドストーリーではないのですが、山吹もとても綺麗でしたよ。ヤマブキをみつけると、小粋な恋愛風景をすぐ連想してしまいます。

「七重八重 花は咲けども 山吹の 実のひとつだに なきぞ 哀しき」
それに、苔むした桜の老木の幹に小さなひ弱そうな枝が伸び、そこにも桜の花の房ができ、みずみずしい若葉も芽吹いているのです。



生命力というのか、エドヒガンの老木が「お若いの!オレはまだまだ、現役だよ。」と語りかけてきます。すごくセクシーで圧倒されます。