40年前、ボクは京都の学生だった。
季節は忘れたが、下駄履きで下宿を出てそのまま、嵐電に乗って嵐山にいったことがある。
そのころも、旅ブームで嵐山には旅の女性が多かった。
ボクは大沢池の付近で、捨て猫を拾った。
懐に入れて下宿に連れ帰ったのだけど、案の定オシッコで上着を濡らされてしまった。
怒りはしなかった。
子猫は、震えていたしひもじかったのだと思う。
牛乳を人肌に温めて飲ませた記憶がある。その日から、下宿の一室でボクは子猫を飼ったわけだが、1ヶ月ほどたったころから、彼女はボクの部屋に戻らなくなった。
どうやら隣の大きな家の飼い猫になったようなのだ。
少し哀しかった。
この頃からボクは、女性に袖にされることが多くなった帰来がある。
女は難しい。
写真は、嵐電の嵐山駅。12/7
