3月14日、土曜日の午後。
ボクは自転車に乗って、名古屋市内をポタリングした。
途中、名古屋市東区筒井の「建中寺」に立ち寄って、みごとに咲いた紅梅の写真を撮ったり、のんびりと自転車のペダルを踏んだ。
建中寺の近くには、次男が住んでいる。
弁護士なのだが、今年になって、大阪から名古屋の法律事務所に移ってきた。
ひとり住まいがいいと、筒井でアパートを借りて、事務所まで自転車通勤をしている。
大阪では、自転車通勤で一張羅のスーツのズボン2本に穴を開けたらしく、「自転車に乗るときは、それなりのズボンにしておくのがよろしい」とアドバイスしておいた。
名古屋市役所の裏手の東区白壁に、「旧名古屋控訴院庁舎」が市制資料館として保存されていて、一見の価値がある。
昔の法廷や裁判官室を見ることができるので、参観しておくと良いと誘ったが、この日は、友人の結婚式で東京に行くと振られてしまった。
実は、近くの「車道」には、長男も住んでいる。
銀行マンで、大阪・東京で勤めて3年前に異動で名古屋勤務地となったが、この春にはまた転勤のサイクルで、さて今度はどこに行くのやら・・・。
子どもたちは、オヤジとなかなか遊んでくれない。
仕方がないので、ボクは「ひとり遊び」の達人になるしかないわけだ。
市制資料館の庭のサクラが蕾を膨らませていたが、中にはひとり遊びのオヤジの目を愉しませてくれるのか、わずかに開花した枝もあった。
むしょうに関西で暮らす、三男に会いたくなった。
うな垂れたこうべを起こして、胸を張りなさい。
キミの盛りの美しさは、しっかりボクが見届けたよ。
早咲きのサクラが、とても愛おしく思えた。

