寄合町の坂を下りて丸山町と船大工町の交差点の方に、足ばやに歩く女性を目にした。
下り坂の歩き方が実にうまい。体重移動と足のさばき方が理にかなっている。
ボクはカメラを構えて待った。
ボク自身も、大徳寺焼餅の店の前の坂を下り、大楠の枝に覆われた階段を降りて、丸山町まで下りを歩いていたが、ボクの下り坂の歩き方はボテボテで足取りが重かった。
山歩きで下りは慣れているはずでも、坂の街ではぎこちない。
坂の街、長崎では珍しく自転車が停めてある店裏の黒い壁のところに来るのを待ってシャッターを切った。
裾を短く着こなした着物姿から、彼女の仕事ぶりを想像してみたりした。

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